2022年
主人と出会って初めての春、夜桜を見に九段下へと足をのばしました。お花見日和の穏やかな夜で、桜の花の幻想的な美しさに心を奪われ、いつかこの感動を表現できたら、と主人に話したことを昨日のように思い出します。
春は、冬の寒さを越えて芽吹いた新しい生命と希望、そして新しい出会いと別れを象徴する季節であり、宵は、日が暮れる際の淡い光と影が交錯する美しい一瞬の儚さから、心が落ち着き、人生の一瞬一瞬の大切さを感じる、深い思いが生まれやすい時間です。
日本の文化や古典文学において、「春の宵」は特別な情緒を持つ題材とされてきました。柔らかな風、満開の花々の香り、遠くから聞こえる虫の音や鳥のさえずりが五感を刺激するこの「時」を、その移ろいゆく美しさを通じて、限られた時間の大切さに繋がることを現代の感覚で表してみました。